こんにちは。
奈良県大和高田市 JR和歌山線「高田」駅前すぐの整形外科クリニック
「にのみや整形外科」院長の二宮俊憲です。
だいぶん前にここに書きましたように、不熱心な読書家ですが、Kindleのおかげで気になった本を時々ポチっては主に電車の中で読んでおります。
最近話題になっていたので読んだのが、小川哲氏著の「地図と拳」です。この作品は、2022年下半期の直木賞に選ばれました。
有名な文学賞の受賞作は後からチェックして読むことはよくありますが、読んだ小説が後から賞を取ったことは、わたくしは初めてなので、少し嬉しい気分です。
「地図と拳」は、中国東北部に創設された日本の傀儡国家満州が舞台です。
仙桃城という架空の都市を舞台に、日露戦争前夜から第二次世界大戦後までの満州での出来事が描かれています。
今の時代、満州という言葉自体がすでに忘れ去られているような印象がありますが、この小説では満州に関わったいろいろな立場の人の目から見た時代の流れが描かれていておもしろく読めました。
この作者は、経歴から見てもかなり頭のよい人のようで、文章表現のユニークさ、おもしろさが随所に感じられます。
600ページほどの大作ですが、興味のある方はご一読をお勧めします。